2020年8月20日木曜日

美の値段

 「・・・現在日本には、絵を描き、展覧会や個展などで発表している人は、およそ十万人はいるだろう、と私は見ている。『美術年鑑』に名前の載っている画家はそのうち三万人、マーケットで多少とも値段がつき画商が扱っている画家はさらにその中の三百人くらい、そして本当に愛好家の間で人気があり流通しているのは五十人、と見てくると、十万人のうち絵を描く本業だけで食べていけるのはせいぜい100人いるかいないか、だろうと思われる・・・」この文章は1999年に画家、今は亡き池田満寿夫氏の著書「美の値段」から抜粋したものだが、約20年前ということで社会的状況はかなり変化しているものの、発表の仕方など数字的なものは別にしてまんざら今と大して変わらないのではなかろうかと思います。

趣味で単に個人的な楽しみで絵を描いているというだけなら、美の価値など特に考える事もないでしょうが、作品を発表したり、展覧会やコンクールに応募したりする人には考えなければならない問題でしょう。美というテーマはプラトン・ソクラテスの時代から現代まで問われてきたものゆえ、そう簡単に真の答えの出せるようなモノではないにしても、というかだから探求しなければならない事のようです。

兎に角「美術品は社会的価値である」ということは確かであると思います。


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